「Pythonで理解する微分積分の基礎」は「統計・データサイエンスをやるために微分積分の基礎を学びたい方」が最初に読むと良さそうな本

Pythonで理解する微分積分の基礎」を監修者の辻真吾(tsjshg)さんのご厚意で頂いて、一通り読んで手を動かしてみたので僭越ながら短めですが書評を書かせて頂きます。

どんな本か

本書はこれから微分積分を学びたいと考える方や学び直したい方に向けて,Pythonの力を借りて視覚的にデータを確認することで,直感的な理解を促します。

技術評論社さんの書籍ページより

端的に言うと、SymPyとJupyter Notebookに計算・描画させて直感的に微分積分の基礎を習得しようという本です。

対象読者

本書「はじめに」より引用して紹介すると、以下のような方が挙げられています。

  • Pythonを実際に動かして数学を勉強したい方
  • 微分積分の基礎を学びたい方、もしくは学び直したい方
  • Pythonに数式処理をさせたい方

しかし私はそれよりも「統計・データサイエンスをやるために微分積分の基礎を学びたい方」が一番の想定読者なのではないかと思いました。(理由は後述します)

おすすめの読み方

この手のJupyter Notebookファイルがサンプルとして動かせる本によくある傾向だと思うのですが、一つ読むときに注意したいことがあります。

Jupyter Notebookファイルを動かして眺めるだけだと「ふーんそういうことね、完全に理解した」から抜け出せないことです。

(これはどの技術書でも同じだと思いますが、)サンプルを見つつ、自分でも写経なり変数をいじって動かすなりして数式を理解しようとしないと深い理解ができないと思います。

特に前述したJupyter Notebookファイルが付属・公開されているとおざなりになりがちかと思います。

これは「統計・データサイエンスをやるために微分積分の基礎を学びたい方」が最初に読むと良さそうな本

対象読者の項で述べたことについて補足解説です。

微分積分の基礎を学びたい方、もしくは学び直したい方

これには「統計・データサイエンスをやるために」という枕詞が隠れている気がします。というのは、

6章以降で微分積分の応用例として統計解析の文脈での使用例がいくつか出てきます。

これがあまり統計に触れていない自分からすると実感がわかないところがあり、理解に少し苦しんだ部分があります。

なのでタイトルの通り「統計解析の文脈が少し理解できるけど、微分積分の基礎を学びたい」みたいな人が読むとドンピシャなのではという話です。

おわりに

ということで、遅ればせながら「Pythonで理解する微分積分の基礎」の紹介をさせて頂きました。

これから微分積分に入門したい駆け出しデータサイエンティストの方には最適な足がかりになるのではないかと思います。

自分もまだ噛み砕けていない部分がたくさんあるので、数学的な理解は手を動かして深めていきたいと思いました。

改めて監修者の辻真吾さんに謝辞を述べて結びとさせて頂きます。